SUMMER of 23
8月に入ってすぐ、愛犬の調子が悪くなってしまった。
その日は雷がすごくて、怖がりの愛犬は1時間ほど私の膝の上でブルブルと震えていた。少しおさまったと思えたので、同じ体制をとりつづけていた私はちょっと休憩するね〜とベッドにねころんだ。そうしたら雷がまた遠くの方でゴロゴロと鳴り出した。愛犬はスっとベッドの下へ潜った。
いい場所見つけたね。落ち着くでしょう。などと声をかけた。怖がりつつも、パニックという感じではなく、愛犬はベッドの下でおとなしくしていた。その間に私は自分の部屋に戻り、仕事をするためにパソコンに向かった。雷も完全に鳴らなくなったころ、愛犬は私の部屋にやってきた。いつもはピンと立っているしっぽがさがっていた。
その後、しっぽがなかなか上がらない。ストレスかと思い、様子を見た。なんだかぐったりしている。あんなに大好きなおさんぽも歩くのをためらい、排便時にも、腰を落として力むことを痛がるようなしぐさを見せた。
かかりつけの獣医は軽度の馬尾症候群ではないかと言う。馬尾は神経なので、診断を確定するにはMRIなどの検査が必要だから、あくまで推測だ。ベッドの下で腰をぶつけたか、しっぽをひっかけてしまったか。私は、犬から目を離したことを非常に後悔した。
検査を進めるよりも前に、痛み止めなどの緩和ケア+安静にすることで回復を待つのがファーストステップとのことだった。この2週間ほどは痛み止めが効かなかったり効いてきたり、副作用なのか頻繁に吐いたり、かなり回復してきたと思っていたら急に痛みが再発してぐったりしたり…←イマココという感じである。
私は、この一年弱、自分の目標がなかなか達成されないことで落ち込んだり、慢性的に自分には何かが足りないという感覚で過ごしてきた。ついこの前もとある試験に落ちたばかりだった。けれどもこうやって愛犬と過ごしているとしみじみ思う。夢や憧れ、自分の目標というのは叶うかもしれないし叶わないかもしれないけど、愛する者の健やかな日々に比べるとオマケ程度のことなのだと。