History
インターネット、それは私が初めて出会った頃に比べると随分と見せてくれる景色を変えた。
私は10代のころ、とてもさみしくて、とにかく色んなものが欲しかった。何が欲しいのかもよく分からなかったけど「欲しい」という感情が常に自分の中に渦巻いていて苦しかった。それを与えてくれそうにない現実の中で、しつこくずっと探し回っていた。そしてインターネットには自分が求めていると"思われる"ようなものがゴロゴロ転がっているように思えた。そしてインターネットはそこに行きたいと思ったら簡単に足を踏み入れることのできる、別世界だった。
40代手前の現在、インターネットは別世界ではなくなった。人口が増えたというだけのことかもしれない。歳を重ねた私が気づいたことは、みんなもとてもさみしいのだということ。自分の話しを聞いて欲しいということで、それは衝撃的なほどだ。正しいよ、分かるよ、そうだね、と言ってほしくてたまらない人しかいない。それは言い過ぎかもしれないけど、まあ大半だ。
つまりみんな、私と同じなのだ。だとしたら、みんな、意味も分からず毎日苦しいのではないかと思う。どうしてみんなこんなにも自分の言いたいことを人に聞いてほしいんだろう。その事実が私を、はやる気持ちにさせる。なぜかは分からない。でも、自分にとっての使命みたいなものが遠いところから私を手招いているような感覚になるのだ。